防犯防災新聞 平成13年11月30日

警備員デモとか警備員シカという甘い考えの者が少なくないようですね。
森社長:応募者が急増している今こそ、より良い人材にどんどん入れ替えたいんですが、うまく行かないものですね。
倭文社長:施設警備だと、応募者は非常に多いと、よく聞きますが、我々の方は、そうならない。
下山社長:この業務は非常に厳しいですからね。雨が降れば仕事にならない、その分の給料が貰えない、怪我もするなど、リスクや不安定要素が余りにも多過ぎます。リスクに見合った給与であればまだしも、現状ではその逆ですから応募者の立場ならば雨天でも給料が貰え、エアコンのあるコンビになどの方が良いとなってしまう。
倭文社長:下山社長さんは、警備員の最低賃金を六千五百円とすれば、安値が続いている警備料も九千円ラインで止まらざるを得ない、既に底を打っているのではと、先程、指摘されましたが、六千五百円だと、応募者は居なくなってしまう。それも、入社祝金をプラスするなど、結構気を使っているだけに、もう限界点に達しています。
久恒社長(第一総合警備保障):全くその通りです。そのような状況では、経営努力をいくら重ねても、もう諸経費の削りようがありません。
本誌:さて、国土交通省は、従来の交通整理員名義を「交通誘導員」に改めると共に、公共工事の交通誘導警備業務には、警備員しか従事出来ない――と言うように業務の健全化・適正化に向け良い意味で『外圧』が掛かっている、それだけに、人出し稼業的ではいけない、と言うご意見がありました。それに関連して、久恒社長さんは、「断じて派遣会社ではない。警備のプロなんだから、このような警備サービスを提供出来ますよ、と言うように、自主的に大きく変革して行かなければならない」と強調されました。で、『外圧』は大歓迎として、御幣があるかも知れませんが、『内圧』関係を如何お考えですか。例えば、皆さんを監督・指導する立場にある当局に対して、どのようなご要望をお持ちですか。実は、6月号の本誌上で『立入検査』(以下、『検査』)について、一律に実施するのではなく、『検査』対象会社をクラス分けしては如何か。各法規を遵守しているか、より適正な警備業務の遂行に努めているか――等々、これまでの『検査』実績などを勘案してA・B・C・Dの四クラスに分ける。『Aは超優良』『Bは優良』『Cは普通』『Dは常習的違法業者』で、Aは5年ごと、Bは3年ごとに、Cは隔年ごと、それぞれ一回『検査』する。5年ごとに一回と認められたのに、その信頼を裏切った場合は極く厳しく処分する。『Dクラス』業者はどしどし認定を取り消す――そんな記事を書きました。これは業界の意見・要望をベースに日頃の考え纏めたものです。
倭文社長:例えば、『ゴールド免許』『ブルー免許』『グリーン免許』と言うように分けて『検査』して頂けるならば、非常に有り難いですね。つまり法定教育は勿論のこと、更に徹底的に実務教育などを続けている会社は『ゴールド免許』扱いとして3年間に一回実施。ところが教育け怠や、違法行為を重ねている悪質会社には、年に何回も『検査』して、極く厳しく処分して欲しいものです。そうなると、料金の適正化にも拍車がかかることでしょう。
同 頷き、賛意を示す。
下山社長:将来的には、国道や都道、県道ごとに分離発注が望ましい訳ですが、例えば、Aランクの警備会社でないと国道工事の警備を受注出来ない、Bクラス以上でないと都道関係は受注出来ないとなれば、警備サービスの品質が全国的に向上し、均質化するに違いありません。また、制度改革と並行して当局による現場での警備員への聴き取り調査なども徹底して欲しいですね。悪質業者には法定研修などの書類の虚偽報告させることは不可能だと思うからです。さらに警備業法により、全ての警備員に対して法定教育実施証明となる証明証の携帯を義務付けてはどうでしょうか。証明書には研修実施日、時間数、研修担当者名を記載するのです。ここまで徹底すれば、ある程度は悪質業者の排除が可能であると思います。
「認定」を厳しく悪質業者の排除を
久恒社長:他社さんからも『認定』を大いに厳しくして欲しいとの要望が最近よく聞かれますが、今の『検査』対象会社をランク分けすると言う考えは大変面白いですね。
森社長:何年間以上、問題を起こさなかった会社は『検査』をぜひ免除して欲しいですね。近年は、いろんな犯罪が激増していますが、警察官不足はあい変わらずですね。それだけに、ランク分けによる『検査』は当局にも必ずプラスになるのではないでしょうか。
倭文社長:その一方で、久恒社長さんが特に強調されたように、いい加減な会社と明確に差を付けるように更に努力しなければなりません。いわゆる『外圧』と、監督・指導当局の取締り強化、そして業界挙げての努力が同時に行われるならば、その相乗効果は非常に大きく、長年の難問もかなり解決出来ると見ています。
本誌:さて、時代ニーズに応える為にも、業務適正化を進める上でも、警備業法の改正を視野に入れた論議が必要とのお考えから、住永社長さんは、その具体例として3級検定制度を提唱された。また、倭文社長さんは交通警備部会が検討中の4P以上の場合は検定取得者を1P以上、6P以上の場合は取得者以外に『誘導監督員』を配置すると言う案をご披露された。そこで、これらの点に付き、もう少しご説明をお願い致します。
住永社長:今、不況なので、長く在社する警備員も多いのですが、これは一時的なもので、やはり三カ月や半年位で退社する傾向が強い。いつまで勤めても給料はそうアップしない。勿論、給料を上げてやりたいものの、まず、警備料金を上げて貰う必要や警備員への権限付与の問題などがあります。それには、警備員の法的な裏付けがないと、それが担保されていないと、ユーザーも評価してくれにくい。
検定の前段階で肝要な協会研修
十二分に教育を受けた警備員と、そうではない者とは大きな差があるのに、ユーザーは、その違いが分からずに、とかく「一括り」してしまいがちです。