将来的メリット大きい「ISO認証」の取得
平成13年11月30日号

将来的メリット大きい「ISO認証」の取得
検定の前段階で肝要な協会研修
十二分に教育を受けた警備員と、そうではない者とは大きな差があるのに、ユーザーは、その違いが分からずに、とかく「一括り」してしまいがちです。それでは困る。現在の検定取得率はそう高くない。それを高める為には、取得し易くする必要がありますが、その前の段階での新たなる制度が必要ではないか。例えば、初任研修の場合、単なる社内の研修のみではなくて、警備業協会の資格のある研修担当者の研修を受けなければならない、その研修を受けて半年か一年間経過したら2級検定を受験出来る、また、研修を受け一定以上のレベルにあると認められた者は、2級検定の第一次試験を免除されるとなると、幅が大いに広がり、有資格者の層はピラミッド型になる。今は上があっても下がありません。
倭文社長:その制度は、検定取得の為の前段階的なものですね。
住永社長:ええ。
倭文社長:全く同感です。また、出来れば、スタートラインとして2級検定レベルを初任研修みたいな位置付けにする、2級資格を取得したらはじめて現場に配置するようでありませんとね。実際のところ、それ位のレベルですよ、2級取得者は。それを取得してもスーパー警備員と評価出来かねます。
本誌:倭文社長さん、今のようなご意見に対して、発注側官庁や関係団体はどう受け止めていますか。
倭文社長:それは当然のことだ、と強調する関係者が年を追って増えています。
本誌:最後に、建設業界で取得が増えていると言われる国際規格の『ISO認証』につきお話下さい。最近、取得する2号警備会社が増加傾向にあるようですね。例えば、六月には徳島市の朝日警備保障(横山眞二郎社長)また、七月には宮崎市の九州ガードシステム(福田保社長)が、それぞれ『ISO 9001S』を取得しました。後者の場合は取得を機会に、取得に関するコンサルタント会社を設立したところ全国的に予想以上の反響があるとのことです。
倭文社長:建設業界では、取得する会社が急増中で、名刺にも『取得』または『申請中』と明記している例が増えています。
住永社長:先日、ある知人は申請専門の会社をつくりました。つまり、それだけ需要が多い。
森社長:ええ。コンサルタント会社も増えていますね。うちのあるユーザーさんは品質保証の『9001』と、環境保全の『14000』を取得しましたが、公共関係ではメリットが多いけれども、現在のところ、一般的な分野では余りプラスにならないとのことです。しかし、当社では、取得に向けて検討を重ねています。
倭文社長:ISOを取得する過程などで社内の改革・改善が進むと言うメリットは確かにあるものの、現段階では、単に営業にすぐ役立てようとしても、期待外れに終わりがちだ、また、いい加減な工事ばかりしている建設会社も取得しているケースが少なくない――との声も聞かれます。とはいえ、取得に向けて、我々も真剣に取り組んで行くべき問題ですね。
住永社長:将来的にはISOを取得していると公共工事関係の受注がし易いと言う形になるでしょうね。取得が入札参加資格になってくるようです。
森社長:つまり、取得していないと、受注出来なくなりそうですね。
下山社長:社会的な信用力と言っても、言葉だけでは駄目です。公共工事の警備を行なう我々には、特に国民から信頼される警備力(品質)の維持・管理は必要です。ISOというグローバルスタンダード経営に必要な認証を取得することは、国民からの信頼度を高めることにもなり、CS(顧客満足度)追求という企業価値の向上もアピールできます。また、業界の体質の近代化を促進させるためにもISO取得は必要です。将来的には、ISO取得が公共工事の警備、予定の条件として義務付けされる日も近いと思います。
久恒社長:当社も、かねてから取得を準備中で、コンサルタントに相談していますが、今すぐ営業に役立てるということではありません。将来的には入札参加資格などになると思います。取得に向けての過程で、社内の活性化などの面でも大きな期待がもてそうです。
倭文社長:久恒社長さんの会社のように、特に、社歴の長い会社の場合、非常に大きな効果があるようです。
久恒社長:小規模の会社でも社歴が長ければ長いほど、どうしても大企業病にかかり易いそうですが、そう言うのを、ひとつのベクトに持って行く。それがひいては、営業戦略なり、警備員の資質の向上に繋がって行く、と言うことで、ISOの取得は非常にメリットがあると見ています。二、三年の内に取るつもりです。
倭文社長:品質保証のISOを取得すると、例えば、「わが社の警備員教育は、ISOで保証されています」と営業マンも自信をもって交渉に臨むことが出来ますね(笑)
住永社長:その一方で、ゼネコンは「わが社の警備は全てISO認証を取得したレベルの非常に高い警備会社に委託しております」と公言出来るようになる――(笑)
久恒社長:つまり、責任の所在が非常に明確になり、いわゆるグレーゾーンが無くなる。担当者は大変ですが、きっちりとした仕事が実現出来ます。
本誌:『2号警備業務の適正化方策』について、休憩もされず、二時間半以上にわたって、率直に前向きな議論を展開して頂き、有り難うございました。